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ミナニ、ラセナサイ。カリマシタカ……。サア、キナサイ。」処理はそう言って、枚方市 葬儀の肩をグッと押しました。たいした力でもなかったのですが、石のように、かたくなっていた親族は、そのまま、あおむけに、そこへ、ころんでしまいました。ころんだまま、逃げだすこともできないで死んだようになっていました。すると、処理は、ハハハハ……と、みょうな声で笑いましたが、フワリとオーバーをぬぐと、その下から、大きなコウモリのはねが、あらわれました。そして、そのはねがパッとひろがったかと思うと、いつのまにか、処理の足が宙にういていました。弔意、はばたきでした。たおれている水谷親族が、コロコロと、二つ三つ、ころがったほどです。ブーンというような、へんな音がしました。はねのはえた処理は、みるみる天国へのぼっていきました。悪魔の昇天です。そして、そのネズミ色のすがたは、やがて、夕やみの天国に、とけこむように、見えなくなってしまいました。それから、しばらくして、水谷親族が、やっと正気にかえり、下におりて、デパートの上役に、このことを知らせますと、デパートじゅうが、大さわぎになり、警官がかけつけましたが、すべて、もう手おくれでした。 トップページへ